2月は28日までしかないので、ぼんやり過ごしているとすぐ3月になってしまいます。
3月のはじめはひな祭りです。
五節句のひとつ、桃の節句です。
お人形を飾って、お花を添えて、お菓子を添えれば、お家の中が華やかに明るくなります。
我が家では猫とおひなさまは共存出来ぬ運命なので、実家の片隅に小さく飾っています。
このひな人形は母の家に残されたものです。
江戸時代後期の享保雛のようです。
道具も揃っていないし、着物や髪もぼろぼろ。
五人囃子も母が小さかったときから四人しかいなかったそうです。(弦楽器ばかりで太鼓もない。。)
でも赤い布を敷いて屏風を立てて並べてみると、これが立派なたたたずまいで、お部屋の空気が変わります。
享保雛のお顔は能面のように面長でつるりとし、目が細いのが特徴です。
あまり人形としての愛らしさを感じられず、子どもの頃は夜見るのが怖かったりしました。
しかし今思うと二百年も前に作られたものが、変わり果てながらも残っていることはありがたいことです。
この人形を通じて、私と江戸時代の人が繋がっているわけですから。
風にあてる意味でも、ちゃんと毎年出してあげなくてはと思うのです。
おひな様を飾る時、お内裏様とお雛様、左右はどっちだったかな?といつも考えます。
東洋的に考えますと、これを陰陽論にあてはめます。
陰陽論は古代中国で考えられた自然哲学を法則として、全ての事象は陰と陽の相対する2つの性質にわかれ、また変化すると見る二元論の考え方です。
陽的なものとは、動きがある、速い、遠心的、散じやすい、あたたかい、などなど。
陰的なものとは、動きが少ない、ゆっくり、求心的、変化しない、つめたい、などなど。
男女で言うと男は陽、女は陰と考えます。
左右で言うと左は陽、右は陰。
(このような考え方を応用しながら鍼灸師は人のからだや生活をみつめています)
じゃあ、おひなさまも、お内裏様を左にお雛様を右にとしてみました。
後で調べたら、昔はそのように飾られていたようです。
京都の御所に倣っているそうで。
全国的に今は右がお内裏、左がお雛さまだそうです。
左近の桜と右近の橘は何か陰陽関係してるのかな?
こちらは平安京の紫宸殿という建物の左右に植えられていたのが由来らしいですね。
桜は春の花、橘は五月六月に白い花をつけるんだそうです。
橘のかざりは花というより実がなっています。
結実するのはだいたい秋にかけてなので、もしかしたら桜と橘を春と秋として対にし、左右におく事に陰陽調和を計る意味があるかもしれない。
ただのこじつけかもしれない。
でもそういう視点でみつめてみるのはおもしろいからです。
次はお花を持っていって実家にかざります☆
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