大きな台風が去って、空気は一気に晩秋のように乾いてひんやりしてきました。
陽射しがありがたく感じます。
果物のおいしい季節ですねー。という話題が、施術の間によく出てきます。
果物はそれぞれ属性に違いはありますが、おおむね性質としては冷やす作用や潤す作用が多いです。
熱の体質の人には合いますが、冷え性や胃腸の弱い人、産後など体力を消耗している人は、すすんで食べない方がいいのです。
そんな話のなかで、
「柿が赤くなると医者が青くなる」
ということわざの話になり、昔からそう言われているくらいだから、柿は身体にいいものでたくさん食べた方がいいという解釈をききました。
はて、そんな意味だったかしら。
確かに柿はビタミンCが豊富で抗酸化作用、抗老化、アルコール分解などなど、効能のある成分があることはありますね。
でも我が家の栄養書を見てみると、どんな食材でも成分をピックアップしてみれば効能だらけです。
栄養価の高さという意味で、昔は自然からとれる貴重な糖分だったのでしょうけど、栄養過多の現代では過剰摂取になりがちです。
身体にいい食事は、効能の追求よりもバランスから。
ことわざの本来の意味は、柿が赤くなる時期には気候がいいので、お医者さんが暇になるということのようで、今は季節の変わり目も落ち着いてくる頃なわけです。
更に、きっと昔は熱さや湿気の季節に、食中毒などの症状が今より多かったことも所以でしょう。
なにも柿が健康食品だから医者いらずというわけではないのです。
おいしい果物をたくさん食べたくても、偏った解釈と偏った食べ方には気をつけて。
熱でも冷えでも、どんな人でもどんな食材でも過ぎれば必ず身体には負担になります。
季節を味わう楽しみもいろんな種類のものでバランス良くいただくのが理想。
私は先日頂いた里芋さんがあまりに美味くて、季節のありがたさを実感いたしました。
つくって送ってくれた山梨の知人とおいもさんに感謝です。
ああ芋煮作ろう。
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